
公開している記事の「無断引用」、「無断転載」は禁止しております。
ここで公開している話はすべてオリジナル小説で登場する人物、場所は架空でありフィクションです。
体調が悪い時は逆に健康に悪化させる可能性があるため読むのを中止にしてください。
その日、1人の女性が残業でいつもより帰りが遅くなり時計は日付をまたいで深夜12時をすぎてしまい急いで駅に向かったがあと数秒の所で最終電車が行ってしまった。
ショックを受けながらも、仕方なくタクシーで帰ろうとした所なぜかその日予定にない時刻に電車が到着した。
「なんでこの時間に…?」
スマホで時間を見ると12時43分になっていた。
不思議に思ったがこの日はたまたまあったのかなと思いその電車に乗り込んだ。
乗ってみると、乗客は誰もおらず静かな空間が広がっていたがひとまず座席に座った。
少しして疲労から眠くなってしまいそのまま深い眠りについてしまった。
どのくらい経ったのか、はっと目が覚め、ふと周りを見ると電車が停車して終点らしき駅に着いていた。
「大変っ!降りなくちゃ…!」
慌てて降りるがそこは見覚えのない駅だった。
「えっ…ここ、どこ…?」
時間を見ると12時53分。
わずか10分程しかたっていなかった。
急いで駅名を確認すると【あかきりぬ駅】と書いてあった。
聞いたことのない駅名でとりあえず迎えをお願いしようと両親に連絡をした。
「今、駅にいるんだけど【あかきりぬ駅】って言う駅まで迎えに来てくれないかな?」
そうお願いすると「調べてみるから待ってて。」と言ってから数分後、
【そもそもそんな駅、聞いたことないなぁ】
【調べても出てこない】
と言われ、どうにか自分で帰ってきてほしいとお願いされ結局諦めて自力で帰ることにした。
ホームを出てもやはり人はおらず見渡すと屋根のようなものが見てたため家がありそうな方へ向かうことにした。
しばらく進むと1人の男性らしき人が座り込んでいるのが見えたため声をかけてみることにした。
「あの、すいません! すいません!」
歩み寄りながら数回声をかけてもこっちを見なかったため、思い切って肩を叩いた。
すると男性はゆっくり振り返った。
その時女性はギョッとした。
振り向いた男性は目が真っ黒だった。
白い部分などなく瞼が思い切り開かれ人間とは思えない顔つきだった。
「い…いやぁぁぁ!!!」
女性は叫んでその場から逃げた。
今まで見たことがない表情、これでもかと開かれた瞼、白い部分など全くない真っ黒な目…
とにかくその場から離れなくてはと全力で走り続けた。
しばらくすると今度は女性らしき人に出会った。
後ろから見るに髪はセミロング、上着を着てズボンを履いていた。
助けを求めようとその女性に近づき声をかけた。
「すいませんっ!助けてください!」
そう声をかけるとその女性もまたゆっくりと振り返る。
女性はまた驚き、手で口を覆った。
その人が振り返ると、今度は目から血を流していたのだ。
そしてゆっくり話し始めた。
「…たい…いた…い、痛いの…いたいのぉぉぉぉ!!! いたいよぉぉぉぉ!!!!」
「い、いや…いやぁぁぁ!!!!」
女性は腰が抜けそうになりながらも慌てて体勢を立て直し、一目散に逃げ始めた。
おかしい!
ここはなにかがおかしい!
さっきの男性といい、今の女性といい、気味の悪い人たちばかりだ…!
走りながらふと前を見ると暗い林の中に、神社が立っているのが見えた。
「あそこに逃げようっ!!」
ヒールで走っているため足が痛い。
しかし今はそんな事を気にしてはいられない。
とにかく見つからないように逃げるんだ。
ようやく神社にたどり着き大きな木の影に隠れて息を潜めた。
そっと影から周りを見ると、まだ誰も来てはいなかった。
「誰か…助けて…」
時間を見ると深夜の1時を過ぎていた。
これほどの事があったのに時間は少ししかたっていない…
「…っ、どうなってるの…もういや…」
少しして、もう誰も来ないことを確認し恐る恐る影から出てみることにした。
暗い神社、人もいない、動物もいない、風が冷たい、風で木々が揺れまた不気味さが増していく。
ふと大きな祠が目に入った。
見る限り大人が1人入れそうな大きさだった。
よく見ると、祠の扉が不自然に空いていた。
「なんで空いてるの?」
ダメだとは思ったが、またあの人たちに見つかったらと思うと怖くなり、扉を開けた。
中にはなにも入っておらず空っぽだった。
…と、その時だった。
「どうしましたか?」
女性は心臓が泊まるんじゃないかと思うくらいびっくりしてしまった。
慌てて振り返ると、さっきまで誰もいなかったのにこの神社の神主であろう人がいつの間にか立っていた。
「どうしました?こんな所で。」
「あのっ…さっき変な人たちに会ってしまって…その、怖くて…ダメだって思ったんですけど開けてしまいました!!すいません!!」
すると、神主さんは静かに笑っていた。
そして話し始めた。
「変な人たちですか…大変でしたねぇ…それは…」
「すいません!!」
「大変でしたねぇ…でもねぇ…祠は、開けてはダメですよねぇ…ダメですねぇ…ダメ、ダメ、ダメ…」
「…えっ…?」
神主さんの様子がおかしい…
どんどん話し方が変になっていく。
「ダメ、ダメ…ダメエエエエエエエ!!!!」
そう叫びながら女性に襲いかかろうとしてきた。
「あぁぁぁ!!!」
女性がそう叫んだ瞬間、思わず後ろに倒れ込み、祠に吸い込まれるように倒れ込んだ。
「いやぁぁぁ!!」
そう叫びながら女性はそのまま底なしの祠の中へ消えていった。
「…もしもし、大丈夫ですか?!」
しばらくして人の声が聞こえ始め目が覚めた。
目を開けると見覚えのある景色が広がっていた。
「…あれ?ここは、いつもの駅?」
「あ、良かった!気がつきました?」
そこには女性の駅員さんが立っていた。
聞くと女性はホームの中で倒れていたと言う。
「あの、ここは?」
「いつもの駅ですよ。」
「あ、すいません、ありがとうございました。」
「大丈夫そう?気をつけてね。」
そう言って去って行こうとした駅員さんに急いで聞いてみた。
「あ、あの!この駅の終電って、12時30分以降に走るようになったんですか?」
そう聞くと、駅員さんは首を傾げて不思議そうな顔をした。
そして、「えっ?そんな時間には入ってませんよ。終電は12時30分前ので終わりですよ。」
「…ですよね。あ、あと、この路線上に【あかきりぬ駅】なんて新しくできたりしました?」
「そんな駅名ありませんよ。聞いたことも、見たこともありません。電車、間違えないように気をつけてくださいね。」
そう言って駅員さんは、仕事に戻ろうとした。
と、その時。
「あ、言い忘れました。」
「はい?」
「飲み過ぎには注意ですよ。あなた、深夜にホーム内で随分フラフラしたり叫んだりしてたみたいでしたから。」
…え、どういうこと?
詳しく聞くと女性はホームに走り込んできた途端、フラフラしたり突然叫んだりしていたと言う。
それが丁度、女性が奇妙な体験をしていた時間だったのだ。
女性が体験した出来事は一体なんだったのか…
【あかきりぬ駅】とは一体、どこの駅だったのか。
- 工事中
- 工事中
- 工事中